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反転機

点検(メンテナンス)について


※このページはただいま作成中です。




ここではデンソンの反転機のメンテナンス方法をご紹介します。

ヘルメット ヘッドライト

メンテナンスには2種類あります

自主メンテナンス

これはユーザー様自身で毎日行います。
反転機利用前に
「見た目の異常はないか?」「異常音はないか?」
の2つのチェックを日次点検としてやっていただきます。

そして通常は週に一度、ユーザー様ご自身によるグリスアップを週次点検としてお願いしています。
画像のグリスニップルに、グリスガンでそれぞれワンプッシュするだけです。

グリスは最も重要な摺動部の摩擦を減らすために給油します。

(※旧機種は機内でしかグリスアップできません。)

メーカーメンテナンス

もう一つはメーカーメンテナンスです。デンソンのエンジニアが設置先におもむき行います。機械の使用頻度や使用方法は様々です。
新しい反転機導入後は異常がなくてもまずは一度、
早目の点検を推奨しています。例えば納入1年後に点検をして摩耗状態などをチェック。
問題が無ければ1年から2年へ、2年から3年へと点検するごとに点検時期を延ばしていく「年数追加方式点検」でメンテいただけますと安全かつ最長期間ご利用いただけます。

「わが社では5年、10年おきに点検を依頼しよう」と決めてしまうと、消耗品の劣化具合が不明なまま使い続ける事になります。

定期点検を行うことで突発的な故障を防ぎ、
機械寿命を確実に増加させます。

メーカーメンテナンスの概要


反転機の点検項目は多岐にわたりますが、
デンソンのエンジニアが項目を一つ一つ丁寧にチェックします。

反転機点検項目(一部)

下記は点検項目の一部です。 点検項目の全てではありません。

目視検査

反転とはそもそも危険なものでした。安全な反転機でも本来認められていない操作方法をしていると反転機の外観に異常がある場合があります。例えば大きなへこみがあれば、それは重大なインシデントの痕跡かもしれません。
そういったチェックをすることで、操作者の反転への注意喚起にも繋がります。

異常音の有無

機械になんらかの異常がある場合、異音がすることは少なくありません。モーターの劣化、ポンプのかじり、シリンダーパッキンの摩耗、摺動部の擦り減り。耳を澄ませて機械に耳を傾け機械の鳴き声が聴こえたら、それは機械が助けを呼ぶ声かもしれません。
点検ではまず反転機の「音」を確認します。

油圧作動油量

なんらかの理由で油圧回路上で油圧作動油が漏れていた場合、タンクの油面レベルは降下し油が機械の内外に流れ出します。オイル量が適正かどうか調べて減少が無ければ油漏れは発生していないことが確認できます。

油圧作動油状態

反転機の利用頻度や利用環境によってはオイルの劣化がすすみます。オイルは油圧回路上で発生するごくわずかな鉄粉や摩耗紛などを吸着してくれます。油を数滴摘出すればそれらコンタミナントの発生状況をチェックすることが可能です。オイルは空気に触れるだけでもゆっくりと酸化していきます。

異常発熱

異常がある場合、電動モーターや油圧ポンプ、油圧モーターなどに熱が発生している場合があります。通常利用では触れないほどの高温にはなりませんが、電動モーターが異常発熱している場合には故障に繋がりますので、稼働している時の温度を測定します。

動作圧力

油圧回路上に異常がある場合、動作ごとの圧力が変化する場合があります。圧力メーターをチェックし、出荷時との変化を調べる事で異常箇所を探し出します。デンソンでは出荷時に全ての計測データを保管しています。

電圧・電流値測定

電気回路上の異常がある場合に電流値を測定して判明する事があります。リレーやシーケンサーや継電器も結局のところスイッチで、耐用回数があります。必要があれば電圧・電流値を測定して異常を見つけます。

モーター振動測定

 電動モーターの低周波・高周波領域での加速度・速度・変位を測定し故障予知をすることで 予知保全をおこないます。出荷時にあらかじめ測定した結果と差違が認められればモーターの寿命や故障が事前に発見できます。

ケーブル異常

 電源やペンダントスイッチのケーブルも消耗しますから断線することもあります。特に付け根などはロボットケーブルですら繰り返される曲がりに耐えきれず、導線がむき出しになってしまうこともありますので外観を調べて、折り曲げて信号がオンオフしないかどうかなどチェックします。

ボタン動作確認

ペンダントスイッチや操作パネルのボタンの中にはスイッチがあります。このスイッチ内の接点が溶着・固着することがあります。点検ではこの異常が無いかを、シーケンサーで入力される信号を見ながら、異常が無いかチェックしていきます。

増し締め

前提として機械部も制御部も、ネジは使用していくと緩んでいくものです。点検時には増し締めを実施します。制御部などでネジが一本緩んでいただけでもモーターが故障することもあるので、慎重にチェックを兼ねて増し締めをおこなうことが重要です。

シリンダー状態確認

反転機のパワーを出力するメインのアクチュエーターが油圧シリンダーです。最も大事な部分とも言えるシリンダーの油漏れやパッキンの破損、ロッド痕、ロッドブッシュの異常を入念に調べます。パッキンが摩耗している場合、音を出して鳴くこともあります。

軸受け摺動部品検査

反転機の摺動部には摩擦を低減させる機構があります。摺動部の滑りや回転が正常かどうか、抜け・変形・潰れ・キズ・へこみ・摩耗・破損が無いかを確認します。これらは機械の使い方や頻度に起因するため、長期間安全に反転機を利用するための重要な点検項目の一つです。

軸受け摺動部給油

反転機にはいくつもの軸受け部や摺動部があります。いずれも油切れをおこしていると摩耗が早まり、損傷が著しければかじりを発生し軸受け交換の必要がでてきます。動作上重要度の高い部分ですので、模様や摩耗量などを入念にチェックをし、グリスやオイルスプレーを給油します。

触診検査

ホースやシールは経年劣化などで油が漏れることがあります。オイルリーク量が微量な場合、直接手で触れて漏れる触診検査が有効です。継ぎ手やホース、バルブ等全ての配管を触診してリーク箇所を探します。

反転機ブレーキ確認

全ての反転機にはブレーキ機能が備えられており、回路が正常な場合には負荷をかけても電源を遮断しても機械は動きません。安全上大事な機能ですので、この機能が変わらず正常に働いているかどうかを調べます。

反転動作調整

反転機にはA側、B側と2面の可動部があります。各面の単動動作、両面の連動動作が以上なくスムーズに動作するかをチェックします。必要に応じてリミットスイッチの調整を行います。

直角度調整

長年使用しているとロックしていてもほんの少しずつリミットスイッチがズレてくる事があります。点検時にはこのズレを確認し、角度に異常があれば調整し、適切な直角度に修正します。

基幹部品破損確認

反転機の主要部品には高重量がかかります。またデンソンでは異常が無ければこれらの主要部品は永久的に使用できるよう設計している最も重要な基幹部品です。破損や潰れ、異常摩耗がないかを徹底して調べます。

保護部品状態確認

機外から反転機への液体の侵入を防いだり、反転機への衝突物を保護する保護部品がいくつかあります。保護部品は軽視されがちですが、異物の混入を防ぐ重要な部品です。これらの状態を確認して利用に問題ないかどうかを判断します。

メンテナンスの重要性

 

いくら頑丈な機械といえど、メンテナンスフリーで何百年も使い続けることはできないでしょう。
回転する部分や滑ったり転がったりする摺動部では摩擦を低減する油分が必要な場合もあります。また給油は機械業界の永遠の課題とも言われています。
 
高重量を安全に反転する機械ですので、
反転機は特にメンテナンスが重要になってきます。
デンソンの反転機は頑丈ですので、使用頻度や使い方によってはノーメンテで10年使える事もあるかもしれません。
しかしやはりメンテナンスが適切に実施された機械は実際に故障なく今でも使用されています。

新しい反転機導入後は異常がなくても一度早目に点検を依頼しましょう。
例えば納入1年後に点検をして、摩耗状態などをチェック。

問題が無ければ1年から2年へ、2年から3年へと点検するごとに点検時期を延ばしていく「年数追加方式点検」でメンテいただけますと安全かつ最長期間ご利用いただけます。
点検後に

次回点検推奨 〇〇年以内

と点検報告書に書き添えますので、点検時にご指示ください。
独自に「わが社では5年、10年おきに点検を依頼しよう」と決めてしまうと、

・反転機の使い方が良くない場合、その状態のまま使用し続けてしまう
・使用頻度や負荷が想定より多く消耗品のみならず基幹部品まで損傷してしまう

などの可能性があるまま使い続ける事になります。

定期点検は突発的な故障を防ぎ、
機械寿命を確実に増加させます。