反転機
移設の手引き
Instructions for relocating the Mold Flipper
工場のレイアウト変更をする場合、
反転機を移動して使う必要があります。
ここでは移設する方法をご案内いたします。
デンソンの反転機のサイズ(機械外寸法)は
DTシリーズ以降基本的に全て上位互換しますので、
埋込型の場合は旧シリーズの埋込枠にすっぽり入るので、機械の更新・買い替えをしても基本的にはそのまま使用できます。(例外もあります。)
30年間以上に渡りサイズに互換性を持つ設備というのは利用者にとっては大きなメリットになり、このメリットを利用して生産の効率化を図るために各部署に導入してある反転機を
必要に応じて部署間で交換しあっているユーザー様もいます。
まず設置予定位置には事前に、機械の寸法と同じサイズでテープなどでマーキングしておきます。これは移設工事にも必要な作業ですが、作業性や安全性を考えた位置を想定して運用のシミュレーションをしておく意味もあります。
次に反転機の電源を遮断します。
通常は客先の配電盤などから三相AC200Vなどの電源を供給していますので、これを遮断します。
ブレーカーは反転機の制御盤内にもあります。
電源線を再利用する可能性がある場合は残置します。
床置型でご利用の場合、機械のズレ止めにアンカーを打ってある事がありますのでこれを切断工具等で取り除きます。
吊り上げの際は反転機上部に4か所あるタップ穴をにアイボルトを装着して吊り上げます。
拠点間搬送の際は門幅と吊り上げ時の揚程にご注意ください。門幅が狭いと反転機が門を通行できませんし、
揚程が搬送機やトラックの荷台高さに足りないと、載せられません。また反転機を荷台に載せられても、吊り上げ位置がクレーン下まで行けない場合も反転機をトラックから降ろせなくなりますので注意します。
新しい設置場所に反転機を持ってきたら仮置場所にエスケープしておきます。
次に設置場所の水平レベルを出します。
床面は水平ではないので、床に直接機械を置いて使用した場合偏荷重になり故障に繋がります。
反転機は機種ごとに重量を受ける決まったポイントがありますので、
そこにライナーを敷いてレーザー測定器を用いて水平レベル出しを行います。
移設する際、これはデンソンの作業員が行います。
水平レベルが均一になる事で高重量がかかっても安全に安心して反転する事ができます。
水平レベルが均一になりましたら次はいよいよ機械を設置しますが、
クレーンで吊り上げる際は注意点が2つ有ります。
1つ目は吊り上げる機械自体も水平にすること。
設置に影響しますのでシャックル等で調整して反転機を水平に吊り上げます。
2つ目は反転機の接地部の付着物を可能な限り取り除きます。
移設先の水平度に影響してきます。
長いサイズのスクレーパーや長いT型ホウキなどで機械の下に入らないようにしながら入念に付着物を除去します。
ここまで準備ができたらいよいよ設置します。
セットしたライナーが動かないように反転機を水平にゆっくりと下ろします。
反転機は重量物を反転する機械なので、
反転作業によっては機械が反転方向にズレてしまいます。幅方向には滅多にズレません。
ズレを防ぐ為に床置型反転機の場合は設置後にアンカーブラケットで反転機のズレ止めを行います。
これは機械に直接アンカーを打つものではなく、あくまで反転機のズレ止めです。
埋込型反転機の場合は設置中にズレ止めを行います。
埋込ピットと反転機の間をスペーサーで埋めます。
設置完了後にあらかじめ準備していた電源線や制御用の中継線を反転機に接続したら、最後に試運転を行います。
移設が完了したらワークを載せて反転します。
試運転に問題が無ければこのまま運用します。
定期点検を怠らず運用すれば、長期間の運用が可能です。